Cirio(ナザレ大祭)準備の陰で

毎年10月の第2週末はベレン最大の宗教祭Cirio(シリオ)が開催され、国内外から300万人もの人々が訪れる。数週間前から街はシリオ一色だが、準備の一貫として行われていることを今日ルシアから聞いた。市の方針として「街をきれいに」するために、シリオの期間中、路上の子どもたちを「一掃」するというのだ。観光客の目に触れさせたくないので、祭りの間は彼らを孤児院などにおしこむという。「子どもたちをlixo(ごみ)と一緒に見なすdesrespeito(無礼)な話だ」とルシアはとても憤慨していた。そして市当局はエマウスに対してその協力を要請してきたので、昨日の市側との会議ではケンカになったと言っていた。何となく祭り気分で浮かれていたけれど、陰ではそんなことが進んでいたとは知らなかった。しかもこれは毎年行われていることらしい。普段は路上の子たちを見て見ぬ振りをして、こういう時にだけ「対策」を講じるという行政側の姿勢がよくわかった。エマウスでは小川のそばにある別荘に今月一杯数十人の子たちを引き受けるそうだ。他の施設に入れられるよりずっといいし、子どもたちも気に入っているという。彼らがいる間に一度訪れてみたいと思っている。

2 Responses to “Cirio(ナザレ大祭)準備の陰で”

  1. 1992年のリオデジャネイロ・地球サミットのときも、路上の子どもが一掃されていたことを思い出しました。ベレンでも同じことが行なわれているとはかなりショックです。日本も、東京オリンピックのときに後楽園界隈の低所得住宅に暮らす人々が立ち退きを命じられたと聞いたことがあります。そして今行なわれようとしている石原都知事の「都立公園からホームレスを締め出す条例」。人間の尊厳を無視する政府のやり方にNO!という市民団体の姿勢がまぶしいです。それにしても、やはりまだベレンには路上で生活をしているストリートチルドレンが多いのですね。3年前に始まった「パパジョアン財団」の政策はどうなってしまったのでしょうか・・・。
    私も別荘に行きたいです。

  2. 路上の子たちについては、地元市民からの要請もあるのだと聞きました。「うちの近くにいる子どもをどうにかしてほしい」と市に連絡が入るそうなのです。石原都知事の「都立公園からホームレスを締め出す条例」というのは知りませんでした。日本でもそんなことが起こっているのですか。これはどこにでも起こりうる問題なのだと改めて思いました。