「エマウスの活動に参加して」(7)

<知りたい!でも、わからない、できない。。。>

EMAUSを訪れていたドイツの学生2名と私たち日本人とで、
特別授業として、簡単英語の時間を週1回作ることになった。
アルチの女の子たちは、意欲的で参加したいという子が多かったが、
実際に英語の時間になると、消極的になってしまう子が多く「わからない。」「できない。」
「間違えていると思う。」「すぐに忘れてしまう。」「覚えられない。」といって、
すぐにあきらめそうになっていた。
何故、彼女たちがそうなってしまうか想像はできるだろう。

黒板もノートもない英語の時間がアルチで始まった。
(どうしても書きたいという子は、ノートをもってきていた。)
ゲームや歌をまじえながら、楽しい雰囲気の中でアルファベットや数字、簡単な英会話をみんなでした。

学校では、英語の授業があるということだが、殆どの女の子がアルファベットも知らなかった。

こんなとき英語ではなんていうの?じゃぁ、日本語では?と質問をする子もいたし、
子ども同士で教え合ったり、なんども文字や文を見て、書いたり読んだりする子もいた。
終わってからや、他の日のふとしたときに、聞いてきたりもする。
彼女たちの、このような気持ちを大切にしなければならないととても思う。
でも、その気持ちに十分付き合ってくれる人も場所も時間も殆どないようだ。

後日、ルシアがアルチのある女の子が受けた学校のテストを見せてくれた。
ここでは英語の話をしてきているので、英語に関していうと、彼女はだいたい理解しているようだったが、スペルがあともう一歩というところで間違っていて、結局点数に結びつかず、彼女も自分で‘わたしは勉強できない’と思い込んで、劣等感をもっている女の子のうちの一人だった。

学校にもまだ差があるようで、一方では黒板も机も椅子もあり、ノートもプリントも書くものもある。
でも一方では、黒板はなく、教師は壁に書いては消して教え、子どもたちは、机、椅子がなく床に紙を置いて、書くものも貸し借りしながら授業を受けているところがあるということをスタッフから聞いた。
また、教師の数も足りていないという。教師の賃金が安いからだ。
私が帰国した後に、教師のストライキのため、学校は休みになっていたとも聞いた。
EMAUSの子どもたちも、当然のことだが、いろいろなことに興味をもっている。
また、ちょっとしたきっかけで新たなことに興味をもつこともある。

今までにたくさんの日本人がEMAUSを訪れていることもあるからか、アルチの女の子の中で、
日本の文字に興味をもっている子がいた。
彼女に‘ジャパニーズ・アルファベット(あいうえお表)’を書いて欲しいと頼まれたので
書いて、壁に貼ることになった。
すると彼女はもちろんいろいろな女の子が、興味をもってみよう見まねで自分や友達、
スタッフや私たちの名前を書いてみたり、一文字一文字指差ししながら、読んだりしていた。
女の子たちは、わからなかったら教えてと言ってきたり、質問してきたりしていた。

それが何かすぐ役立つのか?
今すぐそんなことを焦るのではなく、彼女たちが、‘知りたい’と興味をもったそのときに、
そのことに関するちょっとしたきっかけ作りを用意したり、手伝ったりすることで、
その後、彼女たち自らが進んで書いたり、読んだりする、更に興味をもつ、疑問をもつ、
というようになったここに意味があるように私は思う。
そうしているうちに、自然といつの間にかいろんなことと繋がり、彼女たちは、いろんなことを理解し、様々なことに役立てていくと思う。

いろいろな年齢の子どもたちと、折り紙や切り紙、コマにペイントしてコマ回し、
サラ・ジ・ダンサでバレエや盆踊りをしたときもそんなことを感じた。
‘やりたい!’という意欲があって、間違いや失敗ということにとらわれないで
やってみたとき、私が何も言わなくても、自分たちでどんどん考え、工夫し、挑戦していた。
また、聞きたいことは積極的に聞いてきたり、目線でサインを出して呼ぶ子がいたりもした。
私が想像もできない工夫の仕方や、出来上がりになっていることもあって、
そこには、子どもたちが今まで体験してきたことや、個人的な感性も十分に発揮されていたりもする。
折り紙をしているところ 白木鉄心コマにペイントをしてコマ回し
EMAUSでのそれぞれの活動、遊びの中には、そういった機会がたくさんあると感じた。
それが子どもたちのために今まで以上に大切にされていくといいなと思った。

 
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