「エマウスの活動に参加して」(3)

<話し合い>

私が参加していたアルチでも、サラ・ジ・ダンサでも、話し合いの時間がある。
毎日いろんな話題が話される話し合い。

内容は
◎EMAUSが休みの土、日、月曜日どのように過ごしていたか。
(月曜日は、スタッフによる会議がいつも行われている。)
◎行事や祝日、イベントの由来について。
◎自分たちのEMAUSでの活動や、役割分担について。
◎生活に密着した問題点や、子どもたちにとって今話し合った方がよいと思われることについて。
など。

みんなで話し合うとなると、なかなか意見が出てこずみんなだまってしまったり、
エドゥカドーラが一人ずつ名前を呼んで意見を言えるように促しても「nao sei!(知らない、わからない)」と言ったりして、話し合いにならないこともあった。
初めはそんな雰囲気だった話し合いも、みんなと一緒に遊び、
活動の中で周りの人との関わりが増えたこともあってか、会を重ねるごとに少しずつ口を開く子どもが増えていった。

イースター(SEMANA SANTA)について、話をきいているアルチの女の子たちの様子
レストランで全グループが集まり話し合うときもまた、意見がでないことが多かったので、
4〜5グループに分かれて話し合った後、グループごとの意見のまとめを発表するという方法をとっていた。
レストランにて
人前で話す・自分の意見を話す・人の話を聞く・人の意見を紙に書く・
話し合いのまとめを代表して発表する・用意された資料や本を読むなど・
話し合いを通してこういうことを子どもたちが経験できるように、エドゥカドーラは進行していた。

積極的に意見を発言する子どもやリーダー的な子どもは、その良さがもっと伸びるように任せて、
苦手な子どもには、できるところまで任せる・安心して発表できるように側につく・必要に応じて言葉を補うというような場面がよくあり、子ども一人ひとりに合わせてどのスタッフもさりげなく援助していた。


曼珠沙華さん訪問の際、みんなの前でEMAUSの代表として話をしたアルチの女の子たち
*曼珠沙華さん訪問については、現地レポート参照

話し合いの時に、ふらぁ〜と立ってトイレに行ったり、水を飲みに行ったり、
携帯が鳴ったら話しだすというのもよくあることだった。
だからといって、必ずしも聞いていない訳ではない。
話を聞いて考えていたということが、後の発言によってわかることもよくあった。
関係ないおしゃべりをして人の話が聞こえない、携帯電話で話をするというときには、さすがに注意を受けていたが、話を聞く姿勢は、見た感じ全体的にとてもリラックスしたような自由な姿勢で聞いていた。

そのようなアルチやサラ・ジ・ダンサでの話し合いの様子を見ていて
私が気になる女の子の姿があった。
それは、つめ噛み、指しゃぶり、持っているものを口にいれる、貧乏ゆすりの女の子がとても多いことだ。
ある14歳の女の子が、幼い子どもが指しゃぶりをするように
よく指をしゃぶっていたので、何かあるのかな?と、とても気になっていた。
後日、その女の子は少しの間アルチに来なくなり、その後、彼女の妊娠がわかった。
それが原因だとは限らないが指しゃぶりに何かサインが出ていたのかもしれない。
他の子どもたちも、どうにもならないいろいろな思いが、様々なかたちで表れているように感じてしかたがなかった。



 
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