「エマウスの活動に参加して」(2)

<アルチ>

私が参加した最初の1ヶ月は、国際女性デーやイースターについての活動、それから、2008年度が始まったばかりだったので、遊びを通してEMAUSに来る子ども同士の交流をはかることと、子どもたちのもつエネルギーがそれぞれの活動に入る前に十分発散できるように毎日遊んでいた。

また、この時期(3月下旬〜4月上旬)は、洪水による浸水に何度も見舞われたため掃除の時間に当てられることもあった。

4月に入って、ボネッカ(人形のリサイクル)・ビジョテリア(アクセサリー)・クストゥーラ(裁縫)の活動が始まった。


* ボネッカ・・・

古い、又は壊れかけた人形を洗って、髪を梳かし、壊れた部分は修正し、衣服を作って着せるという活動をしていた。

一人ひとり思い思いの人形を倉庫から探し、衣服に使う布や飾りなど自分で選び作っていくのだが、
自分の作りたいイメージをもっている女の子は進んで活動し、なかなか決まらない・作り方がわからない女の子はルシアに促されたり、作り方を教えてもらったりしながら作っていた。

 手先を使って作業するボネッカの活動での彼女たちの姿は、集中していたように思う。
とてもこだわって作る女の子もいれば、あっという間に作り上げる女の子もいるし、一人黙々と丁寧に作っている子もいた。

 時には、「これいいと思う?」「それ、どうやって作ったの?」「ここできないから、やって!」と友達と助け合い、おしゃべりしながら楽しそうに作っていることもあり、また気分によってはしたくない日があったりもした。

ルシアは、一人ひとりの性格やその日の様子、それから技術に合わせて援助や言葉かけをしていた。
壊れたものを修復するという過程には、自分自身の気持ちも立て直す効果があると聞いたことがあるが、その効果があるのであれば、彼女たちにも効果が現れているのかもしれない。

今回、私はボネッカで彼女たちに関わる期間が短かったのでそこまではわからなかったが、
多くの女の子たちがこの活動を通して落ち着いていくということを聞いている。
初めてアルチに来た女の子はまずこのボネッカの活動に参加することになっている。
ボネッカの女の子たちのロッカーと作った人形
* ビジョテリア・・・

主にアサイの実を使ってアクセサリーを作っていた。
今回私がいた時期は、あまり材料がなく少ない材料の中、工夫を凝らして作っていた。
今までにビジョテリアで経験のある女の子が、何も知らない女の子に基本的な作り方を教えてあげていたが、そのうち、どの女の子も工夫して意外とあっという間にかわいいアクセサリーを作り上げてしまうのだから、すごい!と私は毎回感心していた。
私も、すっかりはまって夢中になって作っていた。
ビジョテリアの女の子たち
* クストゥーラ・・・

 クストゥーラの活動は、ドナ・ニューザがミシンの使い方や衣服の作り方などを女の子たちに指導していた。
現在、この活動に参加している女の子の参加率が不安定なので午前のみ行われていた。
ドナ・ニューザの優しい指導の中、子どもたちが走らせるミシンの音はとっても元気がよかった。
出来上がった衣服を試着したり、鞄を持ったりして、鏡に写る姿をチェックする彼女たちの姿はとても嬉しそうで、「どう?いいでしょ!」「売れるかな?」と言っていた。
いろいろなデザインで、ベビー用から大人用までいろいろなものが出来ていた。


クストゥーラの女の子が作った衣服や鞄

アルチでこのような活動をしている中、パーカッションの子どもたちの元気な音や、
サラ・ジ・ミュージカの子どもたちの笛の吹く音、カポエイラの子どもたちの楽器の音も
どこからともなく聞こえてくるのであった。
希望の子どもたちが発する声や音がいっぱい聞こえてくる日々だった♪


<サラ・ジ・ダンサ>
☆サラ・ジ・ダンサでの活動については、現地レポート参照。




 
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