性について話そう

少し前から毎週火曜日は州立大学の学生2人がアルチに来て、ゲームなどを通じて自分たちの身体と健康について考え、学ぶという授業を行なっている。今日のテーマは性について。まず2階の部屋で円くなって座り、ラジカセから流れるノリのいい音楽に合わせてボールを次々に隣に回していく。そして音楽が止まったときにボールを持っていた人が真ん中に置かれた紙片を1つ選び、中に書かれた問いを読み上げ、それに答えるという形式だった。問いの内容は性行為や避妊、性病の感染に関するものや思春期の身体についてなど。参加したのは12人で、いつもだと何人かはあまり活動に熱心じゃなかったり、隣の子とおしゃべりが始まったりするのだけど、今日はみんなとても集中していた。ボール渡しゲームに盛り上がったこともあるけれど、ここでは10代前半で性体験のある子もめずらしくなく、何より自分自身の大事な問題だと認識していたからだろう。
女の子たちが問いに答えた後に講師の学生がさらに詳しい解説をし、その後彼女たちから出てくる様々な質問に答えていた。1人の子が「私の友だちは14歳でまだ生理が始まってないんだけど、性行為をして妊娠することはないの?」と尋ねていた。そんなことも知らないのかなとちょっと驚いたが、さらに続けて「その子は売春をしているんだけど…」と聞いた時には言葉を失った。アルチの子たちは普段から性教育を受ける機会があるけれど、路上にいる子たちはこういう知識もないままにそんなことをぜざるを得ないのかと暗澹たる気持ちになった。でも知識がないということで言えば、日本の10代の子たちはどうなのだろうと思ってしまった。どこかの頭の固い人たちが青少年への性教育に反対しているという話を聞いたことがあるけれど、アルチのように性についてオープンに話し、よく知ることは思春期の子たちにとってはとても大切なことだと思う。もちろんどこの子にとっても…。

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